2012年9月19日水曜日

プレーンクランプの製作

 以前製作したプレーンクランプの使い勝手が悪かったので改良してみました。
前のタイプは全長が短くテーブルのネジ位置によってワークに届かなかったり、高さを合わせるのにブロックが必要でしたが、改良後は全長を長くしてネジ穴を設けることでネジによる高さ調整ができるようになりました。


▲改良したプレーンクランプ


 MODELA加工したプレーンクランプ。
 材料はPOMです。

▲完成したプレーンクランプ

 使用イメージはこんな感じです。
▲使用イメージ

 横からみるとこんな感じです。

▲高さ調整ネジ

 高さ調整ネジによってブロックによる調整が不要になり使い勝手よくなりました。


2012年9月16日日曜日

スピンドルユニット for MDX-20 ナカニシコレット仕様 その2

続きです。

スピンドルユニットに8mm軸のカップリングを取り付けます。


▲8mm軸のカップリング

スペーサー挟むようにMM-40に取付ます。

▲MM-40に取り付けたスピンドルユニット

MODELAに取り付けるとこんな感じです。
改良前とはちがって取り付け位置(低)にしてもギリギリですがX軸キャリッジと干渉することはなさそうです。
▲取り付け位置(低)
ツールの交換方法です。
コレットの脱着にはスパナ(14mm)とシャフト回り止め(12mm)を使用します。
通常はスパナ2本使って行うのですが作業スペースが限られて作業効率が悪いのでシャフト回り止めはアクリルで自作しました。
▲下から回り止め(12mm)とスパナ(14mm)

スピンドルシャフトに回り止めを装着してシャフトが空回りしないように固定します。
▲回り止めを装着

スパナでコレットナットを緩めてはずします。
(キャリッジが邪魔だなぁ)
▲コレットナット
コレットナットにコレットを装着してスピンドルシャフトに装着して手で軽く仮締めします。
▲コレットナットとコレット



ツールをコレットに装着してツールが落ちない程度に拘束されるぐらいまで手でナットを締めます。
(手が大きいと辛いなぁ)
▲軽く拘束されるまで手で締める
仕上げにスパナを使って本締めします。
▲スパナで本締め

取り付け位置(高)ならキャリッジが邪魔にならないのでもっと楽にできるのですが、MODELAの構造上しょうがないですね。でも慣れると1分ぐらいで交換できるようになります。

以下、加工テストの動画です。
(ほとんど無編集なのでただただ加工してるシーンだけです)

材料:POM
▲4mmラジアス荒加工(8分)


▲4mmラジアス荒加工(15分)


▲4mmラジアス荒加工-R0.6mmボール仕上げ(32分)


▲加工終了
仕上がりをみると精度は十分でていそうです。
シャフトが純正に比べ重くなっているのでその分モーターの負荷が心配でしたがモーター温度も60度前後(室温35度)をキープしているので許容範囲でしょう。
騒音は無負荷状態で測定したところ90デシベルで純正にくらべ1割程度大きくなっていますが(おそらくカップリングの影響?)どうせ加工に入るとそれ以上の騒音になるので関係無いレベルだと思います。




【まとめ】
MODELAはツール1本で荒加工から仕上げまで行うのが基本なのでそういう使い方をするのならこのスピンドルユニットを使うメリットはほとんどありません。
が、違うシャンク径のツールを使い分けるような使い方をするのなら適してるとおもいます。

通常ですとシャンク径の違うツールを使う場合はそれぞれのシャンク径にあったスピンドルユニット用意しユニットごと交換する必要がありました。
このスピンドルユニットを使うことでコレットを追加購入すればいいし、スピンドルユニットを交換する手間がないのでその点メリットと言えそうです。

あとは誰もが経験してると思いますが、加工条件間違えて折ってしまったエンドミル。
コレットを揃えればこれらの再利用にも使えそうです。

▲無残にも折れたエンドミル(R0.5mmボール)


しかし、純正のスピンドルユニットより安いとはいえコレット1個7000円では数揃えるとそれなりの値段になってしまうのはやっぱ難点ですかね。ナカニシコレット採用したのは仇になったかも。


そもそも、「ナカニシのスピンドル最高だよなぁ、でも本体にはとても手が届かないのでじゃあせめてコレットだけでも」という思惑からこのスピンドルユニットを製作したのだけれども、よく考えたら1/1000mm精度を追求するような商品を0.1mm追い込めれば御の字のMODELAに採用するのはちょっと無理があったような。

もし今度改良する機会があればER11規格のコレットを採用するのがよさそうです。
中華製で精度は期待できないけどナカニシコレットの価格の半分で1mm~6mm(0.5mm刻み)のコレットセットが手に入るのは魅力的です。


スピンドルユニット for MDX-20 ナカニシコレット仕様

 以前、MDX-20用にとコレット仕様のシャフトを作ってみたのですが思ったより使い勝手がよくなく長らく放置していましたが、この度改良することにしました。

▲以前つくったコレット仕様スピンドルユニット

 以前のは純正品のスピンドルホルダを流用していたので、コレット仕様シャフトの突き出しが長くなったぶんスピンドルユニットの取り付け位置(低)のホームポジションではスパナがX軸キャリッジに干渉してコレットが交換できないという致命的な問題がありました。(取り付け位置(高)で使うしかないと)
▲キャリッジが干渉してコレット交換できない

今回スピンドルホルダを新たにつくることでこの問題を回避することにします。
色々思案した結果こんな感じになりました。純正に比べ10mmほど短くなってます。
▲短くなったスピンドルホルダ

▲スピンドルユニット全体図

実際の製作ですが、精度が要求されるベアリングの装着部分は外注で作ってもらい、コストの関係上その他の部分はMDX-20で追加工することにしました。材質はMODELAで加工することを考えるとPOMがよかったのですがコストや放熱性を考えて純正と同じアルミ(A2017)にしました。
はめあい公差はメンテナンス性を考慮してK7にしました。
▲外注したホルダ

MODELAで追加工したホルダです。
POMなら2時間程で終わる加工工程を30時間ぐらいかけて加工しました。
▲追加工したホルダ
Z切り込み0.05mmでちまちま加工したのですがやはりMODELAの剛性がないためかツールがびびりまくりで加工面は荒いです。MODELAでアルミ加工はちょっと厳しいです。
手仕上げしてよしとします。
▲裏側

ベアリング、シャフト、カップリングを組み込んで完成です。
▲完成したスピンドルユニット

早速、MODELAに取り付けて加工テストしようとしたところ問題が発覚しました。
ホルダ追加工時に寸法間違えたのかZ軸原点がずれてたようで裏面を1mmほど多く削りすぎてしまいモーターとの同軸度がずれてしまいました。
▲軸同士が1mmずれている
軸がずれたままだとモーターに余計な負荷がかかり異常な発熱や寿命に影響してきます。
実際にMODELAにとりつけテストしたところ過負荷エラーで異常終了していましました。orz
作り直しかと思いましたが、色々調べてみるとある程度の軸ズレならオルダムカップリングで対応できそうということがわかりました。
▲オルダムカップリング

アニメーションです。軸ズレ吸収してるのがよくわかりますね。考えた人すごいですね。



市販品ですと8mm軸と2.3mm軸を継ぐのがありませんでしたので8mm軸は市販品から流用して2.3mm軸用とスペーサーをMODELA用に新たにつくることにします。

▲MODELA用カップリング
MODELAで作った完成品です。

▲左から8mm軸用、スペーサー、2.3mm軸用


MM-40(モーターユニット)に取り付けできるように、まず圧入されているピニオンをはずします。


ピニオンをはずすためにはこんな感じのプーラーを使用するのですが結構な値段しますし、構造をみるとネジをまわすだけのようなので以下の感じでMODELAで自作することにしました。

▲自作プーラー
完成した自作プーラーです。
▲1.5mmノックピンと本体とM4ネジ

自作プーラーを使ってモーターピニオンをはずします。
まず、MM-40のモーターカバーはずします。


▲サイドのネジを緩める


モーターを固定しているネジをはずします。

▲赤丸のねじ

自作プーラーをMM-40のベースに固定します。

▲自作プーラーを固定したところ

 プーラーのノックピンをピニオンの中心にくるようにしてゆっくり締めていきます。
▲モーターピニオンは水平にしてベースにひっかかるように
10mmほどネジを締め込むとポロッとピニオンが取れます。
▲抜き取ったピニオン

MM-40を元通り組み上げて、2.3mmカップリングを取り付けます。
圧入ではなくM3セットスクリューで固定しています。

▲2.3mmカップリング

つづく



2012年9月14日金曜日

T溝テーブルの製作

MDX-20用のT溝テーブルです。
T溝ナットは ミスミ でM4サイズのがありましたのでこれを利用することにしました。
▲T溝ナットNTS4

初期案では以下のようなオーソドックスなT溝テーブルを予定していたのですが、
テーブル高さが増えた分(t12mm)、X軸キャリッジに干渉しやすくなるのでは?と思いやむなくボツにしました。
▲T溝テーブル初期案

▲この空間なるべく確保したい



で、色々思案した結果最終的に以下のようになりました。

▲T溝テーブル最終案

初期案に比べて約3mm!?も高さを低くすることができました。
(3mm確保するためにとはいえ加工の煩雑さを考えると、もし量産を考えるのなら普通に初期案のほうがよかったかも^^;)
▲同じt12mmだが下側の空間を利用


MODELAで加工した完成品です。
材質はエンジニアリングプラチック(POM)になります。
▲完成品





基本的な使い方はT溝にT溝ナットをすべらせてウエッジクランプアームクランプ等でワーク固定します。
▲ウェッジクランプで固定

タップテーブルと比べると、X軸方向には無段階に調整できるのでその点使い勝手がいいです。
ただT溝ナットが一個300円近くするので数そろえるとそれなりの値段になってしまうのが難点ですかね。

タップテーブルの製作

タップテーブル製作しました。
通常はワークを固定するのには両面テープがお手軽でいいのですが、粘着が弱いと加工中にワークがずれたり、かといって強力に粘着すると加工後に外すのが大変だったり色々不便です。
タップテーブルを利用するとネジで固定・外しができるようになるので便利です。





▲タップテーブル完成イメージ

テーブル全面にM4ネジ穴が施してあります。

▲133個のM4ネジ穴が施してある


MODELAで加工した完成品です。
材質はエンジニアリングプラチック(POM)になります。


▲完成品

【 基本的な使い方 】
以下のモデルを加工する場合で説明しますと
▲DemoHead


一番簡単なワークの固定方法は予めワーク自体に固定用のネジが締められるように座ぐり穴を施しときます。
▲ワークに座ぐり穴を施す

タップテーブルにネジで固定するだけです。はい簡単ですね。
▲ネジでテーブルに固定

加工終了後はネジを緩めるだけで外せるのですごく楽です。
▲加工終了

 ただ、前もって座ぐり穴を加工したワークがあればいいですがなければ加工しなければならないわけでその時はどうやって固定するの?と卵が先か鶏が先的状況に陥ってしうのが難点か。
あとワークそのものに固定用の穴を作れないケースも多々ありますのでそういった場合は両面テープやウエッジクランプアームクランプを状況によって使い分けるのがよさそうです。